不純な理由で近づきました。



オレも着替えてくるー、と言って部屋を出て行ったナルちゃんと入れ替わりですでに準備を終えたイリアさんたちが中に入ってきた。


昨日お店で買った浴衣を着こなしてバッチリと髪型を整えた3人は綺麗過ぎて隣に並ぶのが憚られる。



「いやぁん、六花ちゃんかわいい!もう似合いすぎぃ!」


「ほんと、飾らない清楚さがそそられるわ…このまま全てを剥きたくなるぐらいよ」


「サユちゃんそれ変態発言」



少しは自重した方がいいよ、と呆れたように言うユスラちゃん。


こう言ってはわたしも変態っぽいけどユスラちゃんの方がはるかに食べちゃいたくなるぐらいかわいいと思う。


イリアさんは華やかだしサユさんは色っぽくて綺麗だし…タイプはそれぞれ違うもののみんな魅力的な女の人だ。


カインくんも学校でモテモテだし、遺伝は偉大だなぁ、としみじみ思った。



「あの、浴衣と、他にも帯とか下駄も、ありがとうございました」



あそこはレンタルなんてしていなかったはず。なのに今わたしが着ているということはつまり買ったということ。


その他もろもろも言わずもがな。


決して安くはなかっただろうし、いろいろ洋服も買ってもらった身としては少し申し訳ない。





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