不純な理由で近づきました。



「ふふ、いいのいいの。六花ちゃんが気にすることじゃないわ」


「でも、」


「それにあたしたちモデルで稼いでるもの。このぐらいの買い物はかわいいものよぉ?」



無邪気にも見える笑顔で言われて口を閉じる。


さ、最低でもうん10万円はした買い物をかわいいなんて…金銭感覚が確実にズレている。


それと同時にこの出費をなんとも思っていないイリアさんたちの収入が気になってしまう。さすがにそんな下世話なことは聞けないけども。



「そろそろ行きましょ。お昼に見たら結構屋台あったわよ」


「ほんと!?楽しみねぇ〜」


子供のようにはしゃぐイリアさんと、落ちついてはいるもののどこか楽しそうなサユさんのあとをユスラちゃんといっしょについて行く。



「ユスラちゃん、浴衣もかわいいね」


「ありがとうございます。六花さんも似合ってます」



照れたように微笑むユスラちゃんの頬はベビーピンクに染まっていて、目元にはシンプルなラメ入りのアイシャドウ。


綺麗な紅茶色の髪は耳の後ろでお団子に結ばれていて細いカチューシャを付けている。




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