不純な理由で近づきました。
歩いて行くうちにだんだんと人も増えて、浴衣を着ている人も目立つ。
それと同時に人の視線も感じるようになってきた。
やっぱりこの3人は他の人たちより美人さんだから注目も集めるんだろうなぁ、と他人事ながらに考える。
少しそわそわと居心地の悪さに困惑するわたしに対してイリアさんもサユさんも注目されていることを全く気にしていない様子。
ユスラちゃんは苦笑ぎみだけど慣れているみたいだった。
メガネをかけているとは言え、あまりいい気分はしないな……でもリハビリの一環として考えたらいいかもしれない。
「ね〜、待ち合わせってどこぉ?」
「あそこの鳥居よ」
「んー?あ、いた!カイン見つけたぁ」
大きく手を振ると向こうも気づいたみたいで手を振り返してくる。
遠目からでも見えるイケメンオーラに一瞬見惚れてしまった。
「うわぁ、カインの浴衣姿久しぶりねぇ〜」
「最後に着たの小学生のときだからね」