不純な理由で近づきました。
「あ、恭、六花ちゃん!」
こっちだよ、、と手を振るカインくんにわたしも答えるように控えめに手を上げる。
もうわたしたち以外のみんな来ていてどこから調達したのかはわからないけれど大きなシートを敷いて座っていた。
その周りには食べ物に飲み物、その他屋台で取ったのだろう、たくさんの戦利品が散乱していてお酒まである。
兄さんとナルちゃんはザルだからいいとして、イリアさんとサユさんは果たして大丈夫なのか…
「六花さん」
「あ、ユスラちゃん」
カインくんと話している恭くんを確認してユスラちゃんの隣に座る。
「あのあと大丈夫だった?兄さんが迷惑かけてない?」
あのときいきなり恭くんと2人っきりという状況にパニックでよく考えられなかったけど、少し冷静に考えてみればわたしがいなくなったことに兄さんが何かしら言いそうで。
まさかユスラちゃんに八つ当たりなんて大人気ないことはしていないと信じたいけどそのまさかということもある。
でもナルちゃんもいたし大丈夫だったのかな。いやでも兄さんだし万が一……と心配だったのだ。
「ふふ、大丈夫ですよ」
「本当に?」
「はい」
楽しかったです、と笑うユスラちゃんにひとまず安心した。これでユスラちゃんに何かしてたら兄さんをどうしようかと思っちゃったよ。