不純な理由で近づきました。
「、ってわたしは何を…!!」
きゃーっ!と内心で悲鳴をあげてブンブンと頭を振る。
ほんとに何を考えてるんだろ。こんなこと考えちゃうなんてわたしってよ、欲求不満なのかな。もはや想像じゃなくて妄想だ。
ドクドクとうるさい親族に手のひらを乗せる。
もう頭の中がパンクしそう…最近のわたしの感情はジェットコースターみたいに忙しない。そういえば何かの本にこういう言い回しがあったな。
なんの本だったっけ、と考えたところで「あれ〜」と軽そうな声が聞こえてきてハッとした。
「あ、やっぱそうだ!」
「お前の知り合いか?」
「いやいやいや、さっき話してた昼の子だよ」
「へぇ、美人じゃん」
ガヤガヤと近づいてきたのは昼間に会ったあの人で、驚いたのと同時に反射的に一歩下がってしまった。
昼にいきなり肩を抱かれたってこともあるけど、何よりその人の他にも2人男の人がいて。
どうしよう……眼鏡、恭くんに預けたままだ。ケータイも置いてきちゃったし……
「かーのじょ!昼の彼氏くんは?」
「あっ……」