不純な理由で近づきました。



それから少しして着いた場所はガラスの展覧会だった。入場料を払い中に入るとひんやりとした空気が肌を包んで心地いい。


でもそれよりも目の前に広がる光景に知らず知らずのうちにため息がこぼれた。



「綺麗……」



キラキラと光るガラスのオブジェ。上も右も左もガラスで作られたものばかりで外から入る光や照明を受けて煌めいている。


透明なクリスタルはもちろん鮮やかな色のついたもの、複雑な模様の入ったもの、水の中を彷彿とさせる気泡の入ったものなど種類も様々だ。


思わず見惚れて立ち止まってしまったわたしに恭くんはクスリと笑みをこぼして手を引いてくれた。連れられるがままに幻想的なガラスの世界を堪能する。


スペースごとにテーマが決まっているのか、淡い色でまとめられた桜並木を思い出させるものもあれば、物語をモチーフにしたようなものもあって飽きがこない。


中でも気に入ったのは少し照明を落としたところに星のようなガラスを散りばめたスペース。上からキラキラと降り注ぐような立体の星に小さい頃流れ星が落ちたら掴めるんじゃないかと考えていた自分を思い出した。



「恭くん、すごいね」



未だ興奮したまま隣の恭くんを見上げれば優しい表情を向けられて、ずっとそんな風に見つめられていたのかと思うと隠れていた羞恥心が顔を出してくる。


ふ、振り返って見ると、わたしすごくはしゃいでた、よね…?こ、子どもっぽいと思われたかな?



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