不純な理由で近づきました。
やはり展覧会に合わせたかのようなガラスの商品がほとんどでその綺麗さに思わず目を輝かせる。
女の子が喜びそうなアクセサリーもあれば男の人でも使えそうなグラスや時計もある。兄さんたちに買って行こうと思ったけど目移りしちゃいそう。
「そういえば、こういうところで出店があるって珍しいですよね」
「あぁ、見るだけでもいいけど実際にこうやって売って人の感想とか聞きたいんたって」
「そうなんだ」
さりげなく横に置いてあるアンケート用紙はそのためのものか。それにパンフレットにも普段は売り物を作ってるって書いてあったっけ。
ここに飾ってるのは売り物用紙 に作ったわけではなく毎年ガラス職人の腕試しのようなものらしい。ここのも売り物云々というよりは趣味で作ったものを売り物として出しているとか。
確かに展示してあったものはだいたいが大きくて細かいものだった。あれを買おうとする人は滅多にいなさそう。それこそお金持ちの人の家とかにありそうなイメージだ。
「というか最近気づいたんだけど、六花のそれって無意識?」
「それ?」
どれのことだとキョトンと恭くんを見つめる。
「口調。最初は敬語だったけど最近は崩れてる」
「あ……」