不純な理由で近づきました。
おでこに手を当てて目を白黒させてると恭くんは「これ買ってくる。ついでにトイレ行ってくるから」と行ってしまった。
わたしはそれを見送ることしかできなくて。えっと…もしかしてわたし、恭くんにでこピンされた?え、なんで?
いくら考えてもわからずにいったん諦めてさっさと兄さんたちのお土産を決めてしまおうといろいろ見ているとあるものに目が留まった。
ちょっとだけためらってからそれを手にとって見る。ドキドキして頬が熱くなるのを感じながら今度はためらうことなくそれをレジに持って行った。
無事に兄さんたちのお土産も買ったところでタイミングよく恭くんが戻ってきたので2人で外に出る。いつの間にか時間が経っていたみたいで日の光は蜂蜜のような柔らかな金色になっていた。
「まだ時間あるなら途中にあった店にでも寄ってみる?」
雑貨屋さんのことだろうかと思い、少し考えてから首を振った。確かに行きたかったけどガラスの荷物は結構重くてこれを持ちながらというのは少々きつい。
恭くんは自分が持とうかと言ってくれたけど中には、その、恭くんに預けたくないものも入っているというかなんというか…
その辺は何とか濁しながら自分で持つと言えば納得していなさそうだったけど引いてくれた。