不純な理由で近づきました。
簡単にまとめたな我が兄よ。
その通りだから反論はしないけど。
「じゃあこれはしばらく我慢するべきなのかな」
どうせ辛くはないし、何か行動したとしても効果はなさそうだし。
そうしようかな、なんて思っているわたしに対し。
「あほ。ほっといたらヒートアップして手につけようもないぐらい酷いことになるかもしれねぇだろ」
と、兄さんはのたまった。
あ、あほって……
「じゃあどうすればいいの?」
あほ、と言われたことにムスッとしながらわたしは兄さんを睨み付け、じゃなくて見つめる。
けど兄さんは素知らぬ顔。
こういうところ気に入らない。
「六花はとにかくその友達に相談してみ。
元凶はそいつらだろうが」
「確かにそうだけど……」
いいの、かな。相談なんて……
迷惑じゃない?
嫌がられたりしない?
面倒だとか思わない?
そう考えてしまうと、ね。
そんなわたしの苦悩を兄さんが知るわけもなく。
「いいか。絶対にしろよ、明日」
「……なんか、急じゃない?」
「善は急げ、だろ」
この話はもう終わり、とばかりに兄さんはお風呂場に向かった。
せめてビールを片付けてから行けばいいものを……
はぁ、と思わずため息がこぼれる。
「相談、か……」
兄さんのアドバイスもあるし、機会があればしてみようかな。
そう思いながら、わたしは後片付けのために立ち上がった。