不純な理由で近づきました。
*向き合う強さを持ちましょう
今日は金曜日。
ということで休んで逃げてしまいたい、というのも本心としてはあった。
だがしかし、こういうときに限って自分の真面目な性格がそれを邪魔する。
「おい、大丈夫か六花」
「りっちゃん」
「うん、大丈夫」
わたしの作った雑炊を食べている二人にそう言う。
昨日の時点で結構不安とか薄れていたから、本当に大丈夫なんだけどな。
「本当か?」
「ムリしなくてもいいんだよ?」
「いや、うん、本当に平気」
というかしつこいぞ。
……いや、そんなことはいい。
「六花ぁ〜、ほんっとーに、」
「大丈夫だから!それより、二人の方が顔色悪すぎっ!!」
昨日の夜どれだけ飲んだのっ!?
と言うとぎこちなくそらされる視線。
この二人、かなり酒豪のはず。
兄さんだってナルちゃんだって、こんなに顔色悪いの見たことないんだけど。
朝ご飯はいつも通りに作ろうとして、二人の顔を見て急遽レシピを変更しましたよ。
わたしもそこまで鬼じゃないし。
「とりあえず、はいこれ。わたしはもう学校行くけど、ご飯食べたら飲んでね」
母さんが酔ったときの万一に備えて買っておいた二日酔いの薬。
まさか兄さんたちに使うはめになるとは……
予想もしていなかった。
「じゃあ行ってくるね」
「「行ってらっしゃーい」」
どことなく元気のない二人の声を聞きながら、わたしは学校に向かった。