不純な理由で近づきました。
「あ、メールありがとうございました。
すごく嬉しかったです」
気づいたのが寝る前という愚行をしてしまって、結局返せずじまいではあったんだけど。
でも二人がわたしの心配をしてくれたメールはすごく嬉しくて。
思わずケータイを見てニヤニヤしてしまったのはわたしの秘密だ。
「へぇ?恭も六花ちゃんにメールしてたんだぁ。意外だねぇ」
「……別にいいだろ」
ん?恭くんの返事に少し間があった気が……わたしの気のせいだろうか。
「白崎。昼はいつものところで」
「あ、はい」
それだけ言って恭くんはわたしの席を離れてしまった。
いつもなら、カインくんと一緒にギリギリまで話してるのに……
やっぱり、あんな姿を見せちゃって。
呆れられた、かな……
心が、ズシッと重くなる。
「あらら、なーにしてんだか、恭のやつ……」
「?」
恭くんの後ろ姿を見ながら楽しそうにくつくつと笑うカインくん。
いきなりどうしたんだろう……
聞いてみたけど、カインくんは笑みを崩さないまま首を振った。
聞くな、ってことかな。
それでも気になって仕方なかったわたしに、あれは怒ってるわけでも呆れているわけでもない、ということだけ教えてもらって。
わたしはひとまずホッと息を吐いた。