不純な理由で近づきました。
放課後、
当番だったわたしは学校で飼っているウサギのお世話のために学校に残っていた。
白いのがゆきみちゃん
茶色がまろちゃん
白と黒がうっくん
茶色と白と黒がミケくん
白と茶色がちこちゃん
みんな、特にゆきみちゃんとうっくんがふわふわしててかわいいんだよね。
「よし、これで終わり」
掃除もしたし、ご飯も置いた。
うん、これで全部終わったよね。
最後にみんなを撫でてあげて、小屋に鍵をかけて。
しっかりと確認してから、わたしは小屋をあとにした。
「もう暗くなっちゃった」
いくら秋とは言っても、こんなに夜になるのが早くなっちゃったんだ。
夏だったらまだちょっと明るいのになぁ。
急いで帰らないと。
見慣れた道を一人で歩いていく。
うーん。いつも朝は兄さんとナルちゃんと三人で歩いてるからか、帰りは味気なく感じる。
まぁそんなことを言ったら、兄さんに馬鹿にされそうだから言わないけど。
絶対に言わないけど。
ふふ、と一人笑って足元を見ると靴紐がほどけていた。
結び直そうと足を止めると。
―――ジャリ、
「………?」
今、足音が……
振り返ってみるけど、そこには誰もいない。
キョロキョロと周りも見てみるけど、やっぱり誰一人いなくて。
「気の、せい……?」
背中に嫌な汗が伝う。
不安を感じながらも靴紐を結び、わたしは足を進める。