不純な理由で近づきました。
かなり気になるんですけど。
「まぁ、そのうちに白崎にはちゃんと言うから」
「……本当ですか?」
「ん、」
気になってしまうのはしまうけど、いつか話してくれるならいいか、と結論づける。
時計を見ると、そろそろ午後の一限目が終わるところだった。
目、腫れてないかな……
思いっきり泣いたからか少しヒリヒリする。
でもメガネをしてしまえば目元な隠れるし大丈夫か。
「教室、戻りましょうか」
「あぁ」
チャイムが鳴る少し前に教室を出る。
鍵を閉めたところで恭くんに名前を呼ばれ、そちらに顔を向けると。
「きゃ、ちょ、」
スッとメガネを取られて思わず目を見開く。
反射的に手を伸ばすとその手を掴まれた。
まるで逃がさない、というような強い手にドキッとする。
「さっきの話だけど」
「え?」
さっきの話って……
そのうち教えてくれるっていう話のこと?
狼狽えるわたしに恭くんは近づき、わたしは一歩下がる。
トン、と背中に固い感触がして。
恭くんの掴んでいる方と逆の手が、ゆっくりとわたしの隣に置かれる。