不純な理由で近づきました。
……びっくり、だ。
それ以外の言葉は見つからない。
カインくんにこんなかわいい弱点があるなんて……
恭くんに聞くと、カインくんは成績はいいけど数学だけは壊滅的らしい。
だからテストになると、いつもこうやって数学を教えているとか。
「恭くんは何か苦手な教科あるんですか?」
ふと気になった質問。
確か恭くんも成績はよかったはず。
おぼろげにしか覚えてないけども。
「恭はね、あえて言ったら英語?」
「まぁ、そうだな」
あぁ……ちょっと納得かもしれない。
恭くんはどちらかといえば理系だし。
「六花ちゃんは英語得意?」
「得意な方だとは思いますよ」
わたしは恭くんとは違って生粋の文系だと思う。
数学も理科も、それなりの点数はとれるけど。
「じゃあ恭は六花ちゃんに英語習いなよ。
ボクは恭に習って……
六花ちゃんの苦手は?」
「わたしは…理科科目ですかね」
「じゃあそれはボクが教えるよ」
ニッコリと笑うカインくんにわたしも笑顔になってお願いする。
結局、カインくんの数学のダメさが響き、わたしも基本的なところはカインくんに教えることになって。
カインくんが教えてくれるはずの理科科目は、笑顔のお礼ということで恭くんが教えてくれた。