不純な理由で近づきました。
「ボクだけ仲間はずれ!?
恭が六花ちゃんのこと、名前で呼ぶようになったのも理由教えてくれないし……」
教えてよー、と言うカインくんに対して、つれない態度の恭くん。
そんなに秘密にしたいことなのかな……
「六花ちゃんもズルいよ」
「え?えーと……」
そんなジトーっと見られても。
しゅん、としたカインくんの様子を見ていると、まるで子犬をいじめているような気分になる。
つまりはなぜか罪悪感が。
「カイン、六花が困ってるだろ」
「恭が教えてくれないからじゃん」
「いいだろ、別に」
むくれるカインくんのご機嫌とり、ということで今日は三人で遊ぶことになった。
「どこ行こっか」
「別にどこでもいい」
「恭、なんか冷たい」
二人のやり取りにクスクスと笑みがこぼれる。
本当、こうして見ると二人ってすごく仲がいい。
ちょっと羨ましいな、と思う当たり、人付き合い皆無だったわたしにしては進歩だろう。
「六花ちゃんは?どこか行きたいとこある?」
「そう、ですね……」