サヨナラの先……
祐也くんは女の子達と話しながらある女の子を見ている。
柏原 佳奈さん。
スッゴく可愛くて優しい女の子。
きっと、祐也くんはあの子が好きなんだ。
ごめんなさい……まだ僕は貴方を手放せないでいる。

ポンッ

ふと頭に乗せられた大きな掌。
その手は神城くんの手だった。

「えっと……なんでしょうか?」

「あっ、ごめんね!なんだか悲しそうな顔をしていたから……」

今の僕にはその優しさが鈍く心に突き刺さる。

「……癒乃、あんたさ」

「な、何でしょう」

ふと凜ちゃんから声を掛けられた。

「神城に乗り換えたら?」

凜ちゃんはまるで自転車変えたら?というように軽く言ってのけた。

「凜ちゃん……僕ね、凜ちゃんがたまに羨ましく感じるんです」

「へ?」

「その軽さが」

「あんたさ、それ誉めてないから」

凜ちゃんの鋭いツッコミが入ってしまった。

「誉めてますよ?多分」

「わー、その多分いらなーい(棒読み)」

そんな漫才をしていたら神城くんに笑われてしまった。

「二人とも、凄く仲が良いんだね(笑)」


< 6 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop