君に出逢えた奇跡
繫がる糸
高校生活ももう少しで終わる。
そう思うと1つ1つがとても大事に思えてきて愛おしくも思えた。
「美空〜。」
「日向。大地くんのこと‥」
「聞いたよ。大地に。」
「ごめんね。私から日向に話さなくて」
冬休みの間、日向と連絡を取らなかった訳ではないけど‥話せずにいた。
「気にしなくていいよ。」
「ありがとう‥。私、大地くんを傷付けちゃった‥。」
「それは違うよ。美空は美空の気持ちをちゃんと伝えたんでしょ?」
「うん。」
「だったらそれは
大地を傷付けたことにならない。
もし私の前で悩んでたはずの美空が
大地と付き合うことになってたとしたら、私は美空を嫌いになったかもねッ。」
「えっ?」
「だってそれこそ大地も美空も傷付く事じゃない?」
確かにそうだ。
もし大地くんが良い人だってだけで付き合ってたら‥
私は自分に嘘を付いて
そして大地くんの気持ちを踏みにじる事になってた。
「ひなた〜ッ」
急に心が軽くなったような気がして
思わず日向に抱き付いた。