君に出逢えた奇跡

「美空。」

蒼汰は私を抱きしめてくれる。

「蒼汰、苦しい‥。」

「ごめんッ。嬉しくてつい力が入った。もう美空に話さないとな。いつまでも秘密ばかりの俺じゃ美空に捨てられる。」

「そんなことで捨てないし、蒼汰が話せる時でいいの。私は今の蒼汰が好きだから‥。」

それは本心。
例えばどんな秘密が蒼汰にあったとしても、私は私の知ってる蒼汰が好きだから。

「美空‥。」

そう呼んだ蒼汰は目深に被った帽子を脱いだ‥。


‥‥‥。



「蒼‥汰?」



‥‥‥。



「コレが‥オレ」




< 74 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop