君に出逢えた奇跡
紬合う糸
あれから一人暮らしのアパートまで送ってくれた蒼汰。
帰り際にそっと部屋の合鍵を渡してくれた。

きっとその鍵は使うことは無いだろうけど・・・
でもその気持ちが嬉しかった。
蒼汰を信じてない訳じゃない。
それでもやっぱり心のどこかにある不安という小さな気持ちを打ち消すには十分なその合鍵に私は嬉しくなった。

自分の部屋の鍵と一緒にキーケースに付けた。

2日間の間に
ほんとに色んなことがあり過ぎて・・・
ホントはまだ夢の中にいるようで。
目が覚めたら全く別の現実が待ってるんじゃないか?なんて思う事もある。

それでも
夢じゃないって思わせてくれるこの合鍵を目覚めて眺めるのがいつの間にか日課になった。

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