剣のお姫様と豊穣の王子様
あたふたしている近衛兵にため息をつき、苦笑しながら下がらせる。
私が下がれと言うまで休憩も取らない彼らには、本当に脱帽せざるを得ない。
そして、次の兵士隊長と向き合い、お互い剣を構える。
今度は、中々侮れなさそうだ。
私が身の丈ほどの大剣を使っているのに比べ、彼は長く取り回しやすそうな槍を獲物としているらしい。
どちらからとも無く、武器を突きだしお互い危なげなく避ける。
「......そうこなくては」
ぽつりと呟き、速度を一段階上げて大きく斬りかかった。
冷静に槍で攻撃を弾き、私に向かう槍の切っ先。
壊すのは不味いな。
柄の部分を切断するという手段を放棄し、身を引いて柄を掴む。
「ばっ?!」
驚いて目を見開き、隊長が槍を引き戻そうとする。
単純な力では私の方が上なのだ。
力任せに武器をもぎ取り足を掬って倒し、切っ先を首に当てた。
そしてお互い礼を言い合い、次の相手を呼ぼうとしたとき。
侍女長のマヤがずかずかと近づいてきた。
彼女は優しく、面倒見の良い人物なのだがその分怒ると物凄く怖い。
......無表情で有名な財務大臣が涙目になる程度には。
動きやすいよう白い布で纏められた茶髪の下には、これでもかとばかりに目を吊り上げた顔があった。
無駄だとわかっていながらも、おもわず後ずさる。
若干ひきつりそうになる顔を向けて、腹を括って声を掛けた。
私が下がれと言うまで休憩も取らない彼らには、本当に脱帽せざるを得ない。
そして、次の兵士隊長と向き合い、お互い剣を構える。
今度は、中々侮れなさそうだ。
私が身の丈ほどの大剣を使っているのに比べ、彼は長く取り回しやすそうな槍を獲物としているらしい。
どちらからとも無く、武器を突きだしお互い危なげなく避ける。
「......そうこなくては」
ぽつりと呟き、速度を一段階上げて大きく斬りかかった。
冷静に槍で攻撃を弾き、私に向かう槍の切っ先。
壊すのは不味いな。
柄の部分を切断するという手段を放棄し、身を引いて柄を掴む。
「ばっ?!」
驚いて目を見開き、隊長が槍を引き戻そうとする。
単純な力では私の方が上なのだ。
力任せに武器をもぎ取り足を掬って倒し、切っ先を首に当てた。
そしてお互い礼を言い合い、次の相手を呼ぼうとしたとき。
侍女長のマヤがずかずかと近づいてきた。
彼女は優しく、面倒見の良い人物なのだがその分怒ると物凄く怖い。
......無表情で有名な財務大臣が涙目になる程度には。
動きやすいよう白い布で纏められた茶髪の下には、これでもかとばかりに目を吊り上げた顔があった。
無駄だとわかっていながらも、おもわず後ずさる。
若干ひきつりそうになる顔を向けて、腹を括って声を掛けた。