小悪魔系男子と甘々同居中♡




「センパイ、こっち向いて。」



春木くんが私の右手を握った。



春木くんの手は嫌い。


あったかくて、堅くて、大きい。


手に触れると、

春木くんは男の子なんだ、と思い知らされる感じがする。





私は春木くんから顔を背け、

ぎゅっと目をつむった。





「…………」





しばらくの沈黙の後、

春木くんは手を離した。




よ、良かった……





私が一安心して目を開けた瞬間、

大きくて、堅くて、温かいあの感触を

後頭部に感じた。






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