嘘を重ねて。
「それより、、結映」
満面の笑みを浮かべながら
こっちを向く翔琉に首を傾げる
すると『耳貸して』と手招きをする
素直に応じると
満足げに言った
「あと3分で午後の授業始まるけど?」
「……へ?」
慌てて時計を見ると
確かに針の指す時間は
もうあと少しで授業開始の時間を
指そうとしている
「やば!遅れちゃう!翔琉もほら急いで!」
私が慌ててそう言うと
翔琉は呑気にその場に寝転んだ
「ちょっと、翔琉!遅れるよ?」
「俺、午後の授業サボるもん、関係ないもーん」
そう言って目を瞑ると
翔琉はすぐに規則正しい寝息を立て始めた
「……もう」
私はそう笑って呟くと
足早に教室へと向かった
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