嘘を重ねて。
リビングのテーブルには
もう見慣れてしまった紙が
いつもの通り置かれていた
『結映へ』
そう書かれた紙には
やはりいつもと何ら変わりない内容
そして夕飯のための10000円が
虚しく置かれている
その手紙を片手にソファーへ倒れ込むと
力なく呟いた
「今日の夜も、1人……か」
もう何度も1人の夜を過ごしているのに
何故だか今日だけは
それが辛くて仕方なかった
嗚呼 だから駄目なんだ
誰かが傍にいる事に慣れたら。