嘘を重ねて。
ーーーーーーーー
「ん……今、何時……」
ゆっくりと重い体を起こすと
時計は8時を指していた
まだ怠さの抜けないまま立ち上がると
洗面所へ向かう
鏡に映る私は
酷くボロボロで
今にも壊れてしまいそうで。
そんな自分から逃げるように
私は慣れた手つきでメイク道具を手に取った
メイクは私にとって
“仮面”を被るのと同じ
仮面を纏った私は
誰も知らないもう一人の私
もう一人の自分でいる時は
寂しさも忘れることが出来た