嘘を重ねて。


ーーーーーーーーーー

あれからどれ程の時間が
経ったのか


“シトシトシト…”



雨音で目が覚めると
私はまだ屋上にいた


「嘘…もう夕方?」


空はもう暗く
濡れた服のせいで体は冷たい

あの後寝てしまった事を後悔した


「とりあえず…帰らなきゃ」


そう呟いて急いで立ち上がると
荷物を取りに教室へと向かった



“ガラガラ…”


ドアを開けて中に入ると
もう誰も教室には居なかった


「助かる…」


ふぅ、とため息を1つ落とすと
荷物をバッグに詰め込む


その時背後から
聞き慣れた声が飛んできた



「結映、まだいたんだ」






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