嘘を重ねて。
「…今の人って彼氏?」
縦にも横にも振れない首
息がどんどん苦しくなっていくのを感じる
「昨日の事が心配で来てみたけど、どうやらーーー」
“言わないで”
「…必要なかったみたいだな?」
聞きたくなかったこの言葉
止めようとするも虚しく声にはならず
代わりに涙として零れ落ちた
何故泣いているのか
自分でもわからなかった
わからないけど
悲しくて涙が溢れた
「…じゃ。」
「…っ」
去っていく背中に
私は嗚咽でしか返す事が出来ない
やっと見つけた唯一の居場所で出会った
私の暗い毎日を明るくしてくれた翔琉
そんな存在を失う事になるなんて…。
でもその原因を蒔いたのは
他でもない私なのだ
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毒から逃れたい一心で
縋ったのは甘い甘い薬…
快楽に身を委ねて
私はさらに溺れていく
それでも所詮は薬
効力が切れればまた
毒から逃れるように甘さを求める
結局、甘さを求めすぎた私は
その依存心で自分をさらに毒へと侵した…。
《甘さは時に毒になる。》