嘘を重ねて。
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ピピピピーーー‥‥
「んー‥‥」
手探りでiPhoneを探す
時刻は午前8時
「まだ8時‥‥」
そう呟いてもう一度
夢の世界へ旅立とうとした時
「おはよー」
「え」
目を開けば そこには顔
数回目をパチパチさせると
やっと状況を理解
「‥‥おはよ」
ため息混じりなその挨拶に
タクは眉毛を下げた
「ご機嫌ナナメ?じゃあキスしてあ「しなくていい!!機嫌いいから!!」」
慌てて拒否すると
タクはクスクス笑いながら
“冗談だよ”と言って身体を起こした
「ごはん食べよ、ユエ作って」
「作ってって‥‥」
冷蔵庫を指をさすタク
“テキトーに好きなの使っていーから”
とだけ言うとベッドに潜り込んでいった
「はぁ‥‥作るか、」
冷蔵庫の中をぐるりと見回すと
キッチンに向かう
意外とこの家の冷蔵庫の中は
潤っていて。
‥‥彼女がいるなら相手の趣味なのかな、
なんて考えつつ料理を始めた