嘘を重ねて。



「当たり前じゃない、お風呂なんだから」


当たり前すぎるコメントに
クスクス笑いながら言う


タクは口を尖らせて拗ねた様な素振りを見せた


「わかってるけどー」


「けどなにー?」

軽く聞き返すと
タクはニヤリと笑った


「ユエの体温、俺は好きなのー。」


「っは、、!?‥‥変態」


今のは完全に反則‥‥

冷たい視線を送りながらも
心臓の鼓動は速くなったまま

肌が触れ合っているだけに
バレているんじゃないか?と思うと

ヒヤヒヤして仕方無かった


「ハハッ…ユエ顔赤い、のぼせた?」


「しらない、もう出るっ」

顔が赤いのは
きっと照れたからだ

あまりの恥ずかしさに私は1人
浴室から飛び出した


服を着て髪を乾かし終わると
私はベッドルームで寛がせてもらう事にした


「…それにしても広い」


ポツリと口から溢れた率直な感想

タクは一体何者…?


もしかして悪い組織とかに
関係してるんじゃ…っ


そんな事に1人思考を傾けていると
部屋のドアがガチャと開いた





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