嘘を重ねて。
「…ック…ユエ…俺そろそろ…ヤバイ…ッ」
「…私も…限界…ッア…」
私の上に被さるタクの動きは
徐々に速くなっていく
そして果てる瞬間
薄れゆく意識の中でタクは私の耳元で囁いた
『愛してる』
その顔はどこか悲しげに見えて
今にも泣いてしまいそうだった
どうして?
そう聞けば良かったのかもしれない
私は声に出せぬまま
意識を手放したーーーーー
そこに確かに愛が存在して
やっと幸せな時間を得る事が出来た
朝目が覚めて
隣に君がいる
夜眠る時も
隣で君が笑ってる
君が笑っていてくれれば
どんな事も乗り越えられる、と
そう信じる程に。
それなのに何故君は
そんな顔をするのだろう
愛し愛されているのに
私と貴方の間には
まだ何かが足りないーーーーー。
《愛し愛されているのに》