嘘を重ねて。
「泣かないでよ…ユエ」
いつもの優しいタクの声
そっと 私の涙を拭う
「俺、ユエが好きだよ」
「私も好きだよ…ッ」
「うん。ありがとね」
ほら…そうやって。
タクは困ったように笑うんだ。
「ごめんねユエ。俺のせいなんだ」
「タク…?」
「俺、ユエの弱さに漬け込んだだけなんだ。…ユエが好きなのは、俺じゃないよ。」
私が好きなのは
タクだよ…
涙がまた流れる
「よく考えて?…辛い時、支えてくれたのは俺じゃない…そうだよね?」
「ちが…ッそばに居てくれたのは…タク…ッ」
そうだ。
…生きる事に苦痛を感じてた、あの頃
そばに居てくれたのは、タクだった
…タクだった?
「俺とユエは…身体で寂しさを埋めてただけなんだよ…」
そう…私は
辛い時に限って身体を求めた
タクはそれに応えてくれた
でも…依存してた、だけだったんだ…
「俺は、ユエの弱さを利用した…俺しか頼れないように、しただけなんだよ…でも」
「…っ」
「本当にユエが好きなのは…俺じゃないよ」
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何処かで何かが壊れた音がした
足りなかったのは 私の本当の想い
そこに確かに愛はあった
そこに確かに幸せはあった
でもそれは…依存でしかない。
夜空に浮かぶ花火のように
私とタクの関係は 儚く、散る
《足りない何かと貴方の心》