嘘を重ねて。
「へぇ。ユエちゃんって言うんだ?」
初めて見た時 俺は不思議と惹かれた
顔立ちは整っていて
それでいて落ち着きのあるオーラ
でも どこか闇のあるその少女は
ユエと名乗った
今思えば 自分と同じような“何か”を
感じたからなのかもしれない
それからユエはBARに顔を出すようになり
その日は決まって身体を求め合った
ーーーーそんなユエが 暫く顔を出さなくなった
定期的に来ていたユエが顔を見せなくなり
俺は 毎日をどこか 自分ではないような
心ここにあらずな状態で過ごした