嘘を重ねて。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
キーンコーンカーンコーンッ……
「んっ……」
チャイムで目が覚めると
ゆっくり背伸びをした
知らないうちに寝てしまっていたようだ
「午後の授業サボっちゃおうかな」
なんて呟くと
私はまた目を閉じた
「チャイム鳴ったよ?」
「っ……!!!」
聞き慣れない声と
突然の事にビクッと反応すると
その声の主であろう目の前の男は
クスッと小さく笑った
「驚かせちゃったかな、ごめんね」
なんて言ってまたニコッと笑う
そんな彼に出逢った夏を
私は永遠に忘れることはないだろう
そしてこの出逢いこそ
記憶の1ページ目だ
《記憶の1ページ目》