嘘を重ねて。




ーーーー私は久しぶりに夜の街に出た



暗くなる程に静まっていく住宅街とは一変
此処は暗くなる程に 賑わいを見せる

…私の心の闇も 少しは照らしてくれる気がした




「お姉さん、俺と遊ばない?」



「なぁ、何歳?ちょっと飲まない?」



道行く男に声を掛けられる
…辛さから逃げられるなら。


そう思い「いいわよ」と言おうとしたその時



「ユエ…?」




酷く懐かしく感じる
聞き覚えのある声が 聞こえた





< 99 / 116 >

この作品をシェア

pagetop