pure


●優





あの日。


朝から智久の家に行った。


そこで、智久は出かけたって聞いて、慌てて探し回った。


タカにも、仁、ノリ、龍樹にも連絡して。



夕方まで探し回っていたら、俺にメールが来た。








送り主は智久だった。


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助けてほしけりゃ一人で来い。


Nビル、地下駐車場


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それだけ。


きっと、智久はもうやられてる。



俺は急いで向かった。















散々だった。


腕も、足も、痛くて歩けねー。


手加減しろよ、あんな大勢で。






俺は着いてすぐ後ろから何かで殴られた。


そのまま、倒れこんで。


何発蹴られたかわからない。


遠くには倒れている智久が見える






「調子乗ってんじゃねーよ」



ボスらしきヤツが俺に言うと、全員いなくなった。



「げほっ・・ともっ・・・」


声を振り絞って呼ぶ。


智久はびくともしない。


足を引きずりながら智久に近づく



「智久っ」


体をゆすっても動かない智久。



俺は急いでタカに電話し、救急車を呼んだ。



一緒に乗った救急車の中でひなにメールをする。





-----当分会えない、ごめん------




口には地の味が広がる。



顔もあちこち痛い。



こんな顔じゃ、会えない。



ケンカしないって約束したのに・・・




会ってなんて言えばいい?




ひなはまた心配な顔をする。



悲しそうで、泣きそうな顔。







怖いんだ・・・・






ひなに嫌われることがすごく怖い


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