pure



ひなの事、忘れたことなんて一瞬もなかった。



会いたい。



抱きしめたい。



でも、今の俺じゃ無理なんだ。








その日、ヒロさんから電話があった。



「ひな来てんだけど~」



ってそれだけ。


えっ?


マジかよ?


あんだけ危ないって言ったのに!


焦った俺は仁たちに言う。







「お前は行かないほうがいいよ。」



タカの一言で、仁にひなを迎えに行くように頼んだ。




俺の選択、間違ってた・・・・?



俺は自分勝手かもしれない。



心配かけたくない、それもある。



でも、ホントは・・・・






こんな姿の俺、ひなに見られたくないんだ。



ひなの前では、カッコつけてたい。



でも、ひなは違ってたんだな・・・






俺の顔を見て、凍りついたひなの顔。





今にもあふれ出しそうな涙こらえて。





あの傷ついた顔、忘れられない。




追いかけて、腕をつかむ。


前より、細くなってる・・・・・・



小さい声で


「や、離して」

って

「聞きたくない」





はじめて拒絶された。




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