pure




それから仁に殴られた。



「優はひな泣かせてばっかり!もっとひなの事見てやれよ!!」



何も言い返せなかった。




ひなに当分会わないって仁に言ったとき、仁は反対したんだ。



でも、俺は、仁に頭を下げて黙っててくれって頼んだ。







俺の全部をひなに見られるのは怖いんだ。








だからノリは予備校を休んだ。


「俺、ひなちゃんの目みて嘘とか無理。」



苦笑いしながら。



ひなの目はいつもまっすぐで。



なんでも信じるんだ。





だから、俺は本当のことが言えない。




俺の汚い心、見せること出来ないんだ。








でも、それで俺はひなを傷つけたんだ。



あの笑顔が好きなのに。



あのキレイな目から涙を流して。



目、真っ赤だったな。



もう、俺はひなのそばに居る資格がないのかもしれない。







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