pure
新学期


長い長い、夏休みが終わって、学校が始まる。



久しぶりに着る制服。



少しだけ、スカートの丈を上げてみる。



玄関を出ると、優君がいた。



「おはよ。」



「え・・・・なんで・・・?」



「一緒に行きたいんだけど、迷惑?」



意地悪に笑った優君。



迷惑だなんて私が思ってるわけないじゃんっ



「迷惑っ・・・・・じゃないしっ」



といって玄関を閉める。



クスっと笑う優君。



門を出ると私の手を握って



「スカート、短い。」



拗ねたように言う優君。



「えっ?そう?」



上げたのはほんのちょっとだけ、ほんとにちょっとだよ?



私のウエストに手を回す。



「わっ、優君っ!!」



巻いたウエストを元に戻す。



「誰に見せんの?」



グッと私の肩を抱いて耳元でささやく。



耳に息がかかるからくすぐったいっ



「べっべつにっ!」



「ひなに誘惑されていいのは俺だけ。な。」



そんなこと・・・・・しないもん・・・・



そのまま手をつないで学校へ行く。



教室に入ると、みんなの視線・・・・



優君は気にせず、自分の席に着く。



「はぁぁあ、ねむ」


机に体を預けて眠りだす。





手をつないだまま教室に入ったし、付き合ってるってバレちゃった・・・・

< 111 / 114 >

この作品をシェア

pagetop