pure



寝ている優君を置いて、トイレに行く。



出て、手を洗ってると、喜美ちゃんが入ってきた。



「ひなっ!ひなって小林と付き合ってんの?」



大きな声で言う。



トイレにはお化粧してる子がいっぱいいるのに・・・



「あ・・・・うん・・・・」



そう言うと、一斉にみんなが私を見る。



う・・・・視線が痛い・・・・



「そっかぁ~、いつから??夏休み???」



興味津々って感じの喜美ちゃん。



「夏休みのちょっと前・・・」


「そっか~、そっか、すごいね!小林、優しい?」


「うん、優しいよ。」



「あ~っ、幸せ者!」



私の背中をバシバシ叩く喜美ちゃん。


痛いよ・・・・



それからクラス公認のカップル。そんな感じになった。


前、トイレで悪口言ってた大久保さんと森田さんは相変わらずしゃべってくれないけど。


でも、他の女の子たちはしゃべってくれるようになった。





学校でも結構有名になっちゃって。


ガラの悪そうな後輩君たちにまで挨拶される始末・・・





「よかったね。」



教室で仁君が私を見て言う。



何のこと言われてるんだろう?



不思議に思って首を傾げてると。



「ひな、幸せそう」


「仁君・・・」



「あ、でも、優に飽きたらいつでも言ってね。俺が相手してあげるから。」



にっこり笑って言われ



横で教科書見てた優君が



「うるせーっ、飽きないっつの。」


「そう?だって優って口悪いし、愛想悪いじゃん。しゃべってても面白くないし。すぐ飽きると思うよ?」


「仁?お前、教室出ろや」


「ほら、すぐ暴力発言。暴力はんたーい」


「うるさいっ黙れっ」


はしゃぐ仁君に抱きついて優君がじゃれだす。


「痛いっ痛い!ギブ!ギブって!!」


そうやって、口悪くして仁君としゃべってるけど。


知ってるよ?優君は仁君が大事なんだよね?
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