pure


「あ~~~っ!!ぐやし~っっ」

頭を抱え込んで仁君が叫ぶ。



球技大会の結果は3位。


仁君も優君も実は中学のときバスケ部だったって。


どうりで上手いわけだ・・・



準決勝で1年に1点差で負けて、3位決定戦は2年生に勝った。


2人とも大活躍ですっごくかっこよかったんだけど、1点差で負けた準決勝が気に入らないらしい仁君は悔しがってる。


「仁、うるさい」

呆れたように優君が頬杖をついて言う。

「だって、1点じゃんっ・・あのシュートが決まってれば~・・・」


「しょうがないよ、1年生って現役だし、運動量が違うんだよ。
私たち受験生だし、ね?」


私の机に伏せている仁君の茶色いフワフワの髪をなでなる


「ひなやさしぃ~」


となでていた私の手をぎゅっと両手で握って仁君の口の前に持って行く。


その仁君の頭を教科書の角でコンッっと叩いて優君が

「セクハラ。」

低い声で言う。

「いたっ!今の痛いっ!角!角はダメっ」

っと叩かれた頭をなでながら涙目で言う。


「大袈裟。」

とボソッと言った優君はその教科書を開きペラペラめくりだした。



「今日ぐらい勉強しなくていーじゃんっ」

そういう仁君に

「ダメ、落ちても知らねーよ?」


そう言って優君は勉強開始。



そうだよね。受験生。勉強しなきゃ。











その日の夜。




ベッドの上で考える。





今日・・・・・キス・・・しちゃったんだよね?


あの後、優君は何事もなかったように、いつも通りだった。



まるで、全部夢だったみたいに。



でも、夢じゃないよね?


唇にまだ残ってる感触・・・・





特別って、思ってもいいのかな・・





友達じゃなくって、女の子として特別って・・・・






< 24 / 114 >

この作品をシェア

pagetop