pure


「大丈夫だって、あんな子相手にされてないって」


この声、同じクラスの森田さんと久保さん・・?



「大体さ、利用されてんだって、木村さん。受験勉強するのにちょうどいいじゃん?地味だけど頭だけはいいしね~」


「ホント早く席替えしないかなぁ~、マジウザイよね、あの子の存在。」



私のことだ・・



やっぱりそんな風に思われてたんだ・・


なんかハッキリわかるとショック大きいな。



「でもさ、小林君も大野君もすっごい女遊び激しいじゃん?どうせあの子も遊ばれて捨てられちゃうよ。」



え・・・?


「え、いーじゃん!私遊ばれたい!」


「きゃはは、何言ってんのぉ??」


「だってあの二人ならどっちでもいいじゃん!」



その二人はそのままトイレを出て行く。











そっか・・・





そうだよね。






私なんて相手にされてない。






そんなこと前からわかってたことなのに・・・・
















あれから一週間。



あのトイレで聞いた話が忘れられない。



優君は相変わらず、何事もなかったかのようにしてるし・・・







優君だもんね。





きっと、抱き合うことも、キスすることも特別な事じゃないんだ。




からかわれただけなんだよ。きっと・・・・





でも、私にとっては・・・・



初めてのキスだったんだ・・・・



あんなに男の人に大切に扱われること自体、初めてだった・・・・






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