pure
買いたいものも買って、はなにアイスクリームを買って。



広場のベンチに座る。



他愛も無い会話。


受験勉強ではなの相手を全然してなかったからか、話は尽きなかった。


すきな男の子ができた!

とか、リレーで1位になった!とか。


はなは私と違って運動神経がいい。


同じクラスの男の子より足が速かったりする。


その点、勉強が苦手で・・・


私とはな。足すと満点になるんだろうな・・・・



そんなことを考えながらボーっとする。


はなと居ると、あのことも考えなくていい。









そう思って、二人でひなたぼっこしてた。









そのとき。





「翔子!待てってば!」



聞き覚えのある声がした。


そう、あの低い声。

ゆっくり振り返ると、やっぱりあの人が居た。


「うるさい!優のばか!」


「ごめんって。んな怒んなよ。」


二人で何かもめている。

女の人はロングヘアーで毛先がくるくる巻いてあって綺麗な茶色。

背が高くって、大人っぽい胸の開いたニットにスキニーデニム。

スタイルがいいのがよくわかる。


やっぱ、優君にはあんな女の人が似合ってる。


遠目から見ても仲が良くて喧嘩してるって感じで・・・・


「翔子!」


するとその二人のそばにもう一人男の人が現われた。


「タケシ・・・・」


翔子と呼ばれた女の人は、タケシと呼んだ男の人を悲しそうな目で見る。



「翔子?こいつ誰?」


その男の人が優君を指差す。


「・・・・・・・」


翔子さんは黙った。


そこへ


「彼氏だけど?」


笑いながら優君は言ったんだ。




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