pure
予備校も決まって、1週間が過ぎた。
仁君は私のこと避けてるように目もあわせてくれない。
いつもにぎやかな窓際がすごく静かだ。
放課後。
帰る準備をしてると
「ちょっと待って。俺も帰る。」
優君が言った。
「え?勉強は?」
「今日、帰って用事があるんだ。」
そう言って、一緒に教室を出た。
「予備校は?」
帰り道、優君がしゃべりだす。
「N駅の前の・・・」
「あぁ、知ってる。このまま行くの?」
「ううん、家帰って着替えてから・・・」
「そっか。」
なんだか久しぶりだ。
優君と並んで歩くの。
ドキドキするけどやっぱり胸が痛む。
いつもどおり、静かに帰る。
さりげなく車道側にまわってくれたり、細い歩道は優先してくれたり。
前まではそんな小さな優しさにドキドキしたけど
きっと彼女にはもっと優しいんだ。
なんて思ってしまって余計に傷つく。
「時間、急ぐ?」
「え・・・・?」
「ちょっと寄り道。」
って私の返事も聞かずに横の公園に入る優君。
え・・?
時間はそんなに急ぐわけじゃない。
でも、あんまり一緒に居たくないよ・・・・