pure
公園に入り、ベンチに座る優君。
長い足を組んで。
立ったままの私を見上げて
「座って?」
とベンチをポンポン叩く。
ゆっくり優君の隣に座る私を見て。
「なんか遠くない?」
って悪戯な顔して笑ってピッタリ私にくっついてきた。
「えっ・・」
私は思わず少し離れる。
「何で離れんの?」
ちょっとムっとした顔をする優君。
そんな仕草にもドキドキしてしまう。
と同時に疑問もうまれる。
なんで?
なんでそんな事するの?
優君には彼女がいるでしょ?
「なんか最近元気ない?」
ちょっとマユを下げ、私の顔をのぞき込むように優君が首をかしげる。
「え・・・?」
「仁のせい?」
仁君のせいでもあるよ。
でもそれだけじゃないんだ。
それだけじゃないよ。
でも言えない。
あなたの彼女の事見てしまったから、だから落ち込んでますなんて言えない。
「だ、大丈夫だよ?」
私はパッと優君から離れる。
「・・・・・・」
「ちょっと予備校のペース早くて!寝不足だからかな?」
「・・・・・・」
何も言わずに私の顔をじっと見る。
「大丈夫!優君心配しすぎだって。」
そういう私の腕をつかみ、グッと引っ張る。