pure
傷
次の日。
1時間目が終わった休み時間。
優君が遅れて来た。
「ゆ・・・・くん?」
優君の顔をみて驚いた。
きれいな高い鼻、切れ長の目。
優君の顔には傷がたくさん出来てて、口の横がはれてる。
優君は何も言わず席に座る。
喧嘩の傷。
私にもわかる。
優君誰かと喧嘩したの・・・?
「大丈夫?」
なかなか目を合わせてくれなかったけど、聞かずにはいられなかった。
「あ?ん・・・・」
不機嫌そうにそれだけ言う。
放課後。
担任の先生が教室に入ってきて
「小林、ちょっと」
優君が呼ばれた。
喧嘩の傷のこと聞かれるのかな・・・
「心配?」
一週間ぶりに仁君が私を見てくれた。
「・・・・」
しゃべってくれたことが嬉しくて言葉につまる。
「大丈夫、去年までもっとひどかったから。」
そう言って優しく笑ってくれた。