pure
何も言わない私に疑問を持った仁君が
「どした?」
頭をなでる。
涙出そう・・・
だって不機嫌な仁君ってほんとに怖かったんだよ?
涙が出るのをぐっと我慢して仁君を見上げる。
すると、
「ひな、ちょっと来て。」
そう言って腕を引かれて教室を出た。
着いた場所は使われてない理科室。
ドアを閉め、ぐっと腕を引かれ抱きしめられた。
「仁君・・・?」
少し体を離した仁君は私の顔をじっと見つめ
「無視しててごめん。」
首を横に振る。
「予備校行くことに怒ったんじゃないんだ。」
「え・・・?」
「ひな、何にも言ってくれないから。」
私の頭をなでながら仁君が寂しそうな顔をする。
「ひなが最近元気ないって、ずっと気になってた。なのに、ひな誰にも相談しないじゃん、俺らずっと一緒にいるのにさ。」
「ごめんなさい・・・・」
「無理には聞かないけど、困ったときはいつでも言って?」
優しく笑ってくれたから、嬉しくて。
涙がこぼれた。