pure


その時、ノリ君の携帯が鳴る。


「はいはい。」


携帯に出てしゃべりだしたノリ君。


おっきな声が聞こえてくる。



タカ君・・・・?



「マジで?行く行く!あ!!今ひなちゃん一緒なの!連れてくよ!」


え・・・・?


「ちょっとまって、」


そう言って携帯を耳から離し


「ひなちゃん門限何時?」



「え・・・?あ、11時まで大丈夫だよ?」



そう、家の親、結構ゆるいんだよね。


予備校行きだしたら特に。



まぁ、勉強しに行ってるんだし。


先生の時間がある限り教えてもらってきなさいって言ってるし。



「大丈夫だって!連れてく!」



どこいくんだろ?



電話を切ったノリ君に



「どこいくの?」


そう聞くと



「N町の公園で花火しようって!ひなちゃんちの近くだし、行こう!」



そう言ってノリ君は席を立つ。



花火か。久しぶりかもしれない。



すぐにファミレスを出る。



会計のとき「誘ったの俺だし、」とおごってくれたノリ君。




出すって言ったのに。相談のってもらっておごってもらって悪いな・・



なんて思って口を尖らしていると


くすっと笑ったノリ君が



「なんか、優の気持ちわかるかも・・・」


ボソって何か言った。


「え?」



「ん?いや、なんでもない。行くか。」



「・・・?」




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