pure
その時
パアァンッ
大きな音が鳴り響いた。
驚いて音がしたほうを見ると。
「イチャイチャしすぎー。」
ノリ君が悪戯な笑顔で言う。
花火の音だったみたい
みんながこっちを見ていた。
「えっ?え?」
慌てて離れようとするとギュッと優君の腕に力が入る。
「うっさい、邪魔すんな。」
子供のように拗ねた優君が言う。
なんかカワイイんだけど、この体勢・・・恥ずかしいよ・・
「いい感じのトコ悪いけどね、ひなちゃんそろそろ門限やばくない?」
「えっ・・今何時?!」
公園の時計を見ると10時45分だった。
「帰らなきゃ!」
そう言って走り出そうとする腕を優君がつかむ
「ダメ、送ってく」
「え?でも近いし・・・みんな居るし・・・」
「いいから、さっきみたいなヤツ居ると危ないし。誰かさんは危機感ゼロだし。」
「あ・・・・・はい・・」
何もいえなくなった私は優君の腕に引かれて公園を出る。
「じゃ、じゃーね。」
ずっとこっちを見ていたノリ君に手を振る。
ノリ君はニコニコ笑って手を振ってくれた。