pure
久々に会った他校のヤツらとじゃれて遊んでたら、ひなの姿が見当たらない。
きょろきょろ公園を見渡すと、変な男に話しかけられてるひなが見えた。
ってかあんなところで何やってんだよ。
こんなくらい公園で女一人になって、危ないに決まってんじゃん。
助けに行こうと一歩踏み出したところで俺は止まった。
助けてどうすんの?
俺なんかに助けられたって嬉しくないんじゃね?
ぎゅっと拳を握り締める。
するとその男はひなの腰に手を回して抱きしめるような体制になる。
なにやってんだよ。
腹が立った俺はひなの元へ急いで行った。
俺が睨んだだけで逃げてく男。
ったく根性ないんだったらナンパなんてすんなっつの。
そいつが見えなくなったところで、俺はひなを離した。
ずっと抱きしめてたいけど。
俺と一緒に居るの嫌だと思って。
俺だってもう嫌なんだ。
ひな見てるだけで胸がズキズキ痛い。
そう思ってひなに背を向け歩き出した。
そしたら聞こえてきた泣き声。
なんだよ、俺にどうしろっつの?
抱きしめて、慰めてやりたいけど、嫌なんだろ?
ひなに近づくとひなはしゃがんで自分を抱きしめるように小さくなっていた。
ノースリーブから見える白い肩が小刻みに震えているのがわかる。