pure
「こわかったぁ」
震える声。
そんな怖い思いするぐらいなら、一人になるなよ。
悪い男なんて山ほどいるっつの。
そんな無防備なことしてる方が悪いんじゃん。
抱きしめたいけど・・・・
泣いて震える腕をつかみ、ひなを立たせる。
泣いて震えてんのに、優しい言葉もかけてやれない。
俺、余裕ないんだ。
そしたらひなから出た言葉は・・・・
「ゆ・・くんじゃなきゃ・・やだ・・・・」
今にも消えそうな声。
何行ってんの?
マジでわけわかんねーんだけど。
混乱する俺の頭。
「すきっ・・・・優君が好きなのっ・・・優君じゃなきゃやだっ・・・」
一瞬耳を疑った。
でもひなの目は真剣で。
涙を流して真っ赤な顔で、俺のTシャツを震える手で握る。
俺は「わけわかんない」と呟き、ひなにキスをした。