pure
カラオケに入って、俺は一番端。
ひなの横には仁と凛。
で、向かいにノリと龍樹が居る。
べつにカラオケなんてどうでもいいし。
俺は深くため息をついて部屋を出た。
なにやってんだ?俺。
ロビーでボーっとする。
別に部屋に戻る気もない。
ロビーにあるスロットのゲーム機に100円を入れた。
すぐに終わる。
そしてまた深いため息。
もういいや、帰ろ。
そう思って自動ドアを出たとき
「優君!」
俺の足を止める声。
俺、きっとこの声じゃないと足止まんないかも。
振り向くとひなが不安そうな目で俺を見る。
「帰るの?」
「ちょっと疲れたから帰るって凛に言ってて。」
俺がそう言ってまた足を進めようとしたとき
「待って!私も帰る!かばん取ってくる!」
そういうと走って部屋に戻った。